標準やコンソーシアム
新たなITイニシアティブには標準とベストプラクティスが必ず必要であり、その初期段階は異なった指針を持つ複数のグループや共同体によって性格付けられる場合もしばしばある(とは言うものの、これらメンバーは他のイニシアティブと重なり合うことも多い)。エッジ/フォグコンピューティングも例外ではない。
Ciscoが提唱したフォグコンピューティングは、2015年にArmとCisco、Dell、Intel、プリンストン大学エッジ研究所によって設立されたOpenFog Consortiumによって推進されている。その基本方針(抜粋)は以下のようになっている。
われわれの取り組みによって、自律型かつ自己認識型のマシンやモノ、デバイス、スマートオブジェクトを含む、IoTのエッジ部分における知性をサポートするような、分散型のコンピューティングやネットワーク、ストレージ、統制、リソースのアーキテクチャが定義されていくだろう。また、OpenFogのメンバーは新たな運用モデルの洗い出しや、開発も推進していく。われわれの取り組みは最終的に、次世代のIoTの実現や発展に寄与していくだろう。
エッジコンピューティングは、The Linux Foundationがホスト役を務めるオープンソースプロジェクトである「EdgeX Foundry」によって推進されている。EdgeX Foundryの目標には、IoTのエッジコンピューティングを統合する共通プラットフォームとしての「EdgeX」の開発と普及のほか、相互運用性と互換性を保証するためのEdgeXコンポーネントの認証や、EdgeXベースのIoTエッジソリューションを迅速に生み出すためのツールの提供、適切なオープンソースプロジェクトや標準グループ、業界アライアンスとのコラボレーションが含まれている。
EdgeX Foundryによると、「このプロジェクトのスイートスポットは、組み込み型のPCやハブ、ゲートウェイ、ルータ、オンプレミスサーバといったエッジノードが、分散型IoTのフォグアーキテクチャ内で『東西南北が一堂に会する』ような、重要な相互運用性の難関に取り組めるようにすること」だという。
EdgeX Foundryの技術運営委員会には、IOTechやAnalog Devices(ADI)、Mainflux、Dell EMC、The Linux Foundation、サムスン電子、VMware、Canonicalからの代表が参加している。
この分野には他にも2つの業界団体が存在している。それらは、2017年11月にオムロンとアドバンテック、日本電気、日本アイ・ビー・エム、日本オラクル、三菱電機によって設立され、日本市場に焦点を当てたEdgeCrossコンソーシアムと、2014年にAT&TとCisco、General Electric(GE)、Intel、IBMによって設立されたIndustrial Internet Consortiumだ。
後編に続く。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。