米国の会計監査院(GAO)が発表したある報告書で、米連邦政府のデータセンターの統廃合は必ずしも十分に進んでおらず、運用の最適化も不十分な部分があり、ハイブリッドクラウドの利用も限定的であることが明らかになった。
この98ページの報告書は、米政府のテクノロジーの運用状況を非難しているように見受けられる部分もある。報告書では、統廃合や最適化がうまく行っている例も紹介されているものの、米政府のデータセンターの数は、今や過去最高にまで膨れあがっている。連邦政府のデータセンターを統廃合する取り組みは、行政管理予算局(OMB)が2010年にスタートさせたものだ。この報告書では、2018年の経費削減目標を達成できたかどうかを評価している。成功例もいくつかはあるものの、連邦政府のデータセンター効率化の取り組みは全体としてはうまくいっていないように見受けられる。

GAOのレポートには、次のように書かれている。
連邦政府のデータセンターを統廃合する取り組みは2010年から進められており、OMBが設定した2018会計年度の目標は、OMBのDCOI(データセンター最適化イニシアチブ)に期待される具体的なメリットを示すために役立つ、明確で透明性の高いゴールを提示するものだった。しかし、多くの機関はこれらの目標の達成状況について、評価の分かれる結果を報告している。各機関は資産目録にあるデータセンター全体の約半数に対して閉鎖のための措置を取ったが、11の機関は閉鎖目標を達成できる計画を示さなかった。データセンターの閉鎖はコスト削減やコスト回避につながると期待されているが、各政府機関の取り組みによって、2016~2018会計年度にかけての、計画中の閉鎖によるコスト削減やコスト回避、および達成済みの閉鎖によるコスト削減やコスト回避の規模は23億7000万ドル(約2600億円)以上に達した。その一方で、5つの機関は、コスト削減目標を達成する計画を立案しなかった。
各機関が目標達成に必要なデータセンターの統廃合を実現し、それによって生じたコスト削減額を特定して報告しない限り、各機関は期待されている効率を実現するよう迫られ続けることになり、それまではDCOIによるメリットも達成されない。
GAOはそこから3ページ以上にわたってデータセンターの閉鎖や最適化の目標を達成できなかった機関を名指しし、対応を勧告している。

