コード補完の改善
NetBeans 6.0では以前と比べ、コード補完が賢くなっている。一例として以下の画面イメージを見て欲しい。
Genericsの型パラメータを含んだ補完候補が表示されていること、左辺の型によって補完候補が絞り込まれていることが分かる。同様にメソッドの引数部分で補完を行った場合など、型が特定できるケースに関しては補完候補としてその型に該当する要素が表示されるようになっており、少ない手順で候補を確定することができるようになっている。
コード補完機能は地味な機能ではあるが、コーディング中は頻繁に利用するため、こういった細かい部分の使い勝手が作業効率に大きく影響してくるはずだ。

プレゼンテーションの改善
エディタのプレゼンテーションも大きく改善されている。強調表示の色分けが細かくなり、メンバ変数とローカル変数、staticメソッドなどの区別がしやすくなった。非推奨のメソッドや未使用のインポート文などの警告もわかりやすく表示される。また、変数などにカーソルをあわせると同じ変数を参照している箇所をハイライト表示する機能も追加されている。

同様にメソッドシグネチャの戻り値の部分にカーソルを置けばreturnしている部分、throws節の例外にカーソルを置けば例外をスローしている部分がハイライトされる。
ヒント機能
ヒントとはエディタの左側に表示されている電球のアイコンをクリック([Alt]+[Enter]でも可)することで、ソースコード中でエラーや警告になっている部分を自動修正する機能のことだ(Eclipseではクイックフィックスと呼ばれている機能に相当する)。

機能そのものは以前から存在したものの、NetBeans 6.0ではJavadocが記述されていない場合や、未使用のimport文の削除修正など、対応項目が追加されている。また、テキストを範囲選択すると選択範囲をfor文やtry〜catchで囲むなどのヒントを利用することができる。
エラー表示の改善
以前のバージョンでもエディタ内で、エラー箇所をリアルタイムに検出して下線表示する機能は存在した。しかしプロジェクト全体でどのファイルにエラーがあるかを判断するにはプロジェクト全体をビルドし、コンパイルエラーのメッセージを確認する必要があり、非常に使い勝手が悪かった。NetBeans 6.0ではこの点が大きく改善されており、エラーがあるファイルはProjectsビューにアイコン表示されるようになったほか、エラーの一覧がTask Listビューにも表示されるようになっており、エラー箇所に一発でジャンプすることが可能になっている。

デフォルトではコンパイルエラーしか表示されないが、設定を変更することで警告も表示することができる。また、ソースコードを編集してからエラーを検出するまでの時間も以前と比べて高速化されており(以前は編集して数秒後にエラーが検出されていたが6.0では即座に検出される)、Eclipseと遜色ない感覚で利用することができる。
ナビゲーション機能の強化
以前から提供されていたハイパーリンク機能に加え、インターフェースやスーパークラスのメソッドをオーバーライドしているメソッドについてはエディタ左端のルーラにアイ コンが表示され、アイコンをクリックすることでインターフェースやスーパークラスのメソッドにジャンプすることができるようになった(これまでもメニューから移動することは可能だった)。

また、[Alt]+[Shift]+[O]で任意の型を検索してエディタで開くためのダイアログを表示することができる。このダイアログでは型の絞込み検索が可能となっている。

このほかにも、エディタ上で右クリック→「Inspect Members」([Ctrl]+[F12])でそのクラスのアウトライン、同じく右クリックから「Inspect Hierarchy」([Alt]+[F12])で型階層を表示するダイアログを開くことができる。これらはいずれもEclipseにはすでに存在する機能(クイックアウトライン、クイック型階層)であり、大規模なソースコードを閲覧・編集する際には非常に便利な機能だ。
ソースコード生成ダイアログ
これまでもアクセサメソッドやメソッドのオーバーライドといったコードの自動生成は可能だったが、NetBeans 6.0ではこれらのコード生成機能を[Alt]+[Insert]で統一的に呼び出すことができるようになった。細かい部分ではあるが、個別の機能をメニューから探す手間が省けるため嬉しい機能だ。
![ソースコード生成ダイアログ([Alt]+[Insert])](/story_media/20350028/code_generate.jpg)