独立行政法人 日本学生支援機構の調査によれば、日本の大学に在籍する障害を持つ学生の数は約5000人。これは障害を持つ学生数の0.16%しか大学に進学できていないことを意味する。これに対し米国では、障害を持つ学生数の11%にあたる約200万人が大学に在籍しているという。
これほどの差が生まれるのは、米国では財政支援や法律の整備に加え、高校生に対する大学のさまざまな支援活動が大きな要因となっている。実際に米国を旅行したことのある人であれば、空港やホテルをはじめ、さまざまな場所において障害を持つ人たちに対する日本以上に手厚いサポートを目にしたことがあるだろう。
こうした取り組みのひとつにワシントン大学が実施している「DO-IT(Disabilities, Opportunitied, Internetworking & Technology)」プログラムがある。
DO-ITプログラムは、全米から高校生が参加する夏休み2週間の障害を持つ学生を支援するためのプログラム。1993年より毎年開催されており、すでに数多くのアシスティブテクノロジ(障害を持つ人の生活を支援する技術)研究の実績があるという。同プログラムから毎年、数多くの参加者が大学に進学し、その後社会に活躍の場を広げている。
日本でも2007年3月に、「DO-IT Japan」プログラムを実施することを発表。7月25日〜29日の5日間、東京大学先端科学技術研究センターなどの会場において「DO-IT Japan 障害のある高校生、高卒者のための大学体験プログラム」が開催された。
第1回目となるDO-IT Japanには、日本全国から40名の応募があり、その中から12名の大学を目指す障害を持つ若者が参加。「大学進学とキャリアプラン」「大学で受けられる支援や受験時の配慮」「自己決定と自立支援」「自らの能力を高めるテクノロジの利用」「最先端の研究」など、大学進学を成功させるための“鍵”が5日間のプログラムにより紹介された。