サンマイクロ買収で何が可能になったのか
続いてファウラー氏が登壇。ハードウェアに関しての説明を行った。
「2年前にSun Microsystemsを買収したときには混乱があった。当時は、ハードとソフトを組み合わせてなにができるのか、また、複数のベンダーの製品を組み合わせたベスト・オブ・ブリードこそが最適であろうという議論もあったからだ。しかし、オラクルはハードとソフトの融合を進めてきた。その結果、この6〜8カ月の間に新たな製品を投入し、処理能力を高め、UnixおよびLinuxに対して最高の性能を実現し、エンタープライズアプリケーションをよりよく動作させ、クラウドコンピューティングが抱える課題も解決することができた」などと述べた。
昨年秋に投入したSPARC T4については、スレッドあたり5倍という高いパフォーマンスと、すでに数千台のシステムが稼働するという実績などについても時間を割いて説明した。
また、ExadataやSPARC SuperCluster、Exalogic、Exalyticsなどのほか、テープストレージを含む各種ストレージ製品についても説明。「ストレージ専業ベンダーとの違いはオープンであること。スピードを高め、コストを下げ、管理の容易性を提供できる点も特徴」などと語ったほか、Exalyticsでは、「専用のデータウェアハウスやOLTPを不要にし、JavaやFusionシステムへの対応できることなどが特徴」とし、コストメリットや拡張性などについても紹介した。
一方、スクリーベン氏は、Oracle Linuxでエンタープライズクラスのサポート、トレーニング、コンサルティングサービスなどの包括的サポート体制を提供していることや、Unbreakable Enterprise Kernelを搭載し、オラクル製品に最適化していることを示し、「オラクルソフトウェア向けに、オラクルが唯一推奨するLinux」などと語った。
また、「Unbreakable Enterprise Kernel 2」を発表。「大規模環境でのさらなる高速化が実現されているほか、これまではカーネルパッチの実施に伴い、業務の中断、停止、適用による遅延が起こり、これが脆弱性を誘発していたが、オラクルが通常のカーネルアップデートを作成し、ゼロダウンタイムアップデートへと変換。Kspliceを用いたゼロダウンタイムパッチの適用が可能になり、Linuxの安全運用を実現できるようになる」などとした。現在、全世界で8500社以上の企業がOracle Linuxを活用しているという。
さらに仮想化については、新たなOracle VM 3.1について説明。「GUIの強化による運用の合理化を実現。ストレージのサポートでは、従来からのオラクル、日立、富士通、EMCに加え、新たにNetAppをサポートした。Unbreakable Enterprise Kernel 2によりサーバソフトウェアを更新し、幅広いパートナー認定を追加できる」という。
さらに、SPARC T4に最適化した「Oracle VM Server for SPARC 2.2」についても説明した。
基調講演では「Oracle Solaris 11」についても触れ、高い信頼性、拡張性、効率性、セキュリティを実現。「AIXとHP-UXの合計よりもイントール数は多く、1万1000のアプリケーションを実行でき、クラウドにも対応している。そして次世代のハードウェアに向けて設計されたものであり、これも重要な要素である」と語った。