大家族の多いベトナムならでは人気車種は?
ここ数年のベトナムの経済は以前ほど好調ではありませんでしたが、それでも次第に所得が上がってきているせいか、自家用車の購入を検討する家庭も出てきています。ベトナムでは年間で約10万台の自動車が販売されていますので、今後、庶民の移動手段もバイクから自動車に移ってくることも考えられます。
ベトナムでは、米国製や韓国製の自動車も販売されており、特に韓国製の人気も高まってきています、それでも人気なのはトヨタ車です。多くのタクシー会社でもトヨタ車が採用されています。知り合いのタクシー運転手が「トヨタ車であれば、警告灯が点灯しても黄色であれば大丈夫。滅多にないけれど赤になったときにはチェックしないとだめだけどね」と言うくらい、トヨタ車への信頼度は高いようです。
ベトナムでは日本よりも大家族であることが多いため、家族で移動するとなると、セダンタイプでは席数が足りません。そのためミニバンタイプのトヨタ車が一番手頃なようで「仕事で日本から来るお客さんをご案内する時のことも考えると、やっぱりトヨタのミニバンになっちゃうんだよね」と、ベトナム在住の知人は、日本人・ベトナム人を問わず口をそろえます。
とはいえ、このトヨタ製のミニバンの価格は約400万円。「1台20万円のバイクを一人一台持っていて、さらに400万円の自動車を買う家庭って、超お金持ちの家?」という疑問も出てきますが、ハノイやホーチミンといった大都に住む「中の上」の家庭の多くは、こうした検討を始めているようです。このような点は、統計データからでは分からないベトナムの暮らしの不思議さの一つかもしれません。
ベトナムで一般的なトヨタのミニバン。多くのタクシー会社でも採用中。