データドリブンに舵を切る必要性
尾花氏 今のまさにデータドリブンの話になりました。データから、いままで見えなかった消費者の行動が見えるようになるかもという話と、ある程度直接的な「声」ではないにしても、動きをトラックすることで何かがわかるという話。
でも、それはどちらかというと売り手側の視点です。一方で、買い手側も今はネットで買い物をしたり、お店に行く前にネットで探します。そういう売り手側の勝手な思いと消費者、買い手側が変わっているからこそ、今MAが求められてきているんではないかという、いくつかの変化があると思います。

マルケト代表取締役 社長 福田康隆氏
福田氏 これは言い古されていることだと思いますが、モバイルのデバイスやソーシャルメディアなど、チャネルがどんどん多様化していくことで、購買行動が変わりました。マーケティングの権威Don Schult氏が言っていましたが、今まで検討してから購買するまでがリニアに一直線だったので、比較的単純なマーケティングをしてきましたが、今はA地点からB地点までどのようなルートを通るかまったくわからない。
この変化がマーケティング関連のソフトウェア全般のニーズを掘り起こしているのかなと思います。MAで何かを変えるというよりは、もう消費者と企業のギャップができているので、これを埋めるものが何か必要だという状況に迫られている気がします。
笹氏 やはり、先ほどおっしゃっていた売り手と買い手の転換というのがオートメーションでは非常に大きいですよね。確かに2014年6月からだと大手企業の導入が多かったのですが「ログの見直しをしたい」という顧客が多くなっています。
いわゆるウェブのログや電気機器の使用ログですね。今ではかっこよくIoTとなっていますが、それが全部つながっているからログが取れるという話で、たとえば私もしている活動量計「FitBit」などは心拍数をはじめ行動がネットで見れます。
そういうログの波の中で、ポイントポイントでオートメーションを図って、それに対して何かのアクションを企業が起こすというところで、ログの見直しを考えているわけです。ただそこで、アノニマスの消費者とユニークな消費者の中間の扱いという新たな問題も出てきています。
iPhoneとFitBiのログだけでは完全に個人を特定できない。しかしアプリをダウンロードしているため、私には(ログを生かした)広告が到達できるわけです。それがいろいろなパターンのオートメーションをシナリオとして生んでいるだろうなと思います。