三国大洋のスクラップブック

EVとロボットカー--自動車をめぐるグーグル、アップルの動きなど - (page 2)

三国大洋

2015-10-17 07:00

EVとロボットカーの市場規模予測

 「Appleにとって自動車分野が次の大きな市場である理由」と題する記事が9月下旬にRe/codeに掲載されていた。この記事の中には、自動車市場全体とEV、そしてロボットカーのそれぞれについて市場規模や予測などが出ている。

 まず自動車市場については、2014年の全世界の販売台数が約8700万台で、売上金額は約240兆円($2 trillion)という数字が引用されている(数字の出所は大手投資銀行のUBS、ただしこのなかに乗用車以外の車輌の分まで含まれているかどうかはよくわからない)。

 そして、2021年までの成長率が年間平均3.5%というPricewaterhouseCoopersの予測も出ている(挿入されているグラフには「2021年の製造台数は約1億860万台に」という説明も)。

 一方、EVについては販売台数こそ全体の1%以下と少ないものの、これが2020年までに年率19%で増加するという調査会社Navigant Researchのデータが紹介されている。添付のグラフに出ている内訳をみると、EV(棒グラフの青い部分)が2020年にはだいたい150万台くらいに増えていそうなことが読み取れる。

 さらに、ロボットカーの市場規模に関して「2025年に420億ドル、2035年に770億ドル」という数字も紹介されている(情報の出所はBoston Consulting Group)。添付のグラフをみると、完全に自動化されたロボットカーの割合は2025年に0.5%、2035年でも9.8%。また部分的に自動化された車輌についても2025年に12.4%、2035年に15%となっていて、人間が運転する車輌とロボットカーが混在する期間が長く続きそうな感じも伝わってくる。

 Appleが現在の目標とされるEVの「2019年の完成」を達成できれば、同社は潜在的な競合相手とほぼ同時期に同じ土俵に立てることになる。ただ、投資家筋が期待するような次の主力商品にEV(とロボットカー)がなるまでには、かなり長い時間がかかるのではといった感触も同時に伝わってくる。

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