セールスフォース・ドットコムは7月20日、21日の2日間、東京・虎ノ門の虎ノ門ヒルズフォーラムにおいて、夏の年次イベント「Salesforce Summer 2016 Tokyo」を開催した。5000人が事前登録。基調講演ではメイン会場に400人、2つのサテライト会場にはそれぞれ300人が参加した。
2回目となる今回は「顧客の時代へ The Age of the Customer」をテーマに、セールスフォース・ドットコムの小出伸一会長兼最高経営責任者(CEO)や、米セールスフォース・ドットコム CRM Apps担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのMike Rosenbaum氏などが基調講演に登壇。最新業界動向や最新事例などを紹介したほか、テーマごとに40以上のブレイクアウトセッションを実施した。
セールスフォース・ドットコム 代表取締役会長兼CEOの小出伸一氏
初日の基調講演では、セールスフォース・ドットコム 代表取締役会長兼CEOの小出伸一氏が最初に登壇。冒頭に、設立以来17年間の感謝を参加者に述べたほか、日本市場へのコミットメントとして、日本のベンチャー企業29社に投資していることや、第2データセンターを日本に開設したことなどに触れた。
さらに、「あらゆるヒト、モノ、コトがつながる時代が訪れている。そして、その先にいるのは顧客。企業は、顧客を徹底的に意識したモデルに変えなくてはいけない。それが顧客の時代である。だが、顧客の77%が企業やブランドとのつながりを感じていない。また顧客データは1%しか使われていない。つまり、理想と現実のギャップが存在している。それを埋めて、差別化戦略に変えることができた企業が生き残ることになる」と、今回のイベントのテーマである「顧客の時代」における現状などについて説明した。
顧客接点の実現により、成功している企業のひとつとして紹介したのが、東京海上日動火災保険。モバイルエージェントと呼ぶスマホアプリを提供したり、スマートフォンから自動車保険の手続きが可能になるサービスを提供していることを紹介した。
東京海上日動火災保険 取締役常務執行役員 グループIT統括の五十嵐芳彦氏
東京海上日動火災保険 取締役常務執行役員 グループIT統括の五十嵐芳彦氏は「当社がIT投資は積極的に進めてきたのは、顧客のためにビジネスプロセスを洗練されたものにしていくことが必要だと考えているため。タブレットを使って、事故の状況を確認したり、保険金の算出などが行えるようにした。また、Marketing Cloudを活用したモバイルエージェントでは、アプリから顧客支援ができるようになっている。現在、代理店が顧客対応するためのスマホアプリを開発しているところである。顧客接点の強化のために、デジタルイノベーションを進めており、いいものを組み合わせて使いたい。セールスフォース・ドットコムには、今後もオープンな仕組みを提供してくれることに期待したい」などと話した。