本連載では前回(iエコノミーの光と影--ジョブズの影を踏むオバマ大統領)、今年秋に行われる米大統領選での再選を目指すオバマ大統領が、今後の最優先事項としてとくに雇用の問題解決に取り組む考えを明らかにしたこと、またそのための道筋として製造業の雇用増加や、そのために必要となる人材育成に積極的に取り組む考えを示したことに触れた。
そしてオバマ大統領は、故スティーブ・ジョブズとの会話からインスピレーションを受けたと思われるアイデアを年頭の一般教書演説に盛り込んでいたという話をした。
いまのところ、オバマ大統領が自らのプランの実現に向け、特定の役割を期待する相手としてアップルの名前を具体的に挙げているわけではない。しかし、共和党側の候補者争いでは、すでにアップルが「政争の材料」になった気配もある。
次に挙げるビデオは、1月21日に投票が行われた共和党予備選の立候補者4名による討論会の一幕である。
この討論会自体は1月19日−−New York Timesの特集記事「THE iECONOMY」の前編公開前に行われたものだが、この話題を採り上げたFortuneのブログ「Apple 2.0」によると、CNNの司会者であるジョン・キング(John King)氏から「アップルは米国企業のなかでもっとも敬意を集める会社のひとつで、国内には約4万6000人の従業員(その大半はApple Storeのスタッフ)がいるが、中国には同社の製品をつくる約50万人もの労働者がいる。そこであなたが米国の大統領になった場合、この問題に対して何をするか?」と訊ねられたリック・サントラム候補(元ペンシルバニア州選出の上院議員)は次のように答えたという。
「アップルはそれだけの数の労働者を海外で雇用し、また多くの利益を海外で上げてもいる。そして、いまその利益を米国内に持ち込もうとしたら35%の税金を納めなくてはならない。しかし、私が提案している計画が実現された場合は、国外で上げた利益を使ってここチャールストン(討論会の行われた場所)に工場を建てるなら、(国内に持ち込む)税金はゼロになる。国外で遊ばせているお金を投資という形で働かせるなら、税金はまったく支払わなくていい。これは強力なインセンティブだ」(リック・サントラム候補、註1)
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註1:共和党サウスカロライナ予備選討論会でのやりとり
"Let's talk about something: Apple Computer is a breathtakingly important American company. It's one of the most respected companies in the country. I carry Apple products to do my work every day. It employs about 500,000 people ... in China. It is based in the United States. Has some employees here -- about 46,000 -- most of them in retail stores and at the headquarters. 500,000 of them are in China. As a President of the United States, what do you do about that?"
Instead. the candidate launched into an answer that tied together two of 2012's hottest issues: unemployment and taxes. This, he told King, is the signal he'd send to Apple:
"Apple, you have all those employees over there, you make all those profits over there. If you want to bring that money back, right now you pay a 35% tax. Under our plan, if you bring it back and invest it in plant and equipment here in Charleston - you pay nothing. You put that money to work, if you invest it, you pay nothing - it's a powerful incentive."
How Santorum gets Apple to move from China to Charleston - Apple 2.0 - Fortune