IoEを下支えする「フォグコンピューティング」
--IoE推進のための新しいアーキテクチャとはどんなものですか。
当社は、ACI(Applicaiton Centric Infrastructure)を発表している。Software-Defined Networking(SDN)の発想を基盤にアプリケーションを重点的にしていくものだ。これはIoEを支えるものなのだが、ここでもう1つ「フォグコンピューティング」を打ち出している。フォグコンピューティングは、クラウドのようにデータセンターが、すべてを集中管理するのではなく、エッジの部分である程度の処理をさせる発想だ。必要な時だけ機能し、そうでない時は"消える"――Fog(霧)のようなコンピューティングという意味だ。IoEを推進していく上で、フォグコンピュー ティングの考え方が重要になる。
M2Mのエンドポイントとデータセンターの間に、マルチサービスレイヤを配置し、フォグコンピューティングの基盤にすることで、クラウドの手前で処理を済ませられる。
全体としてはクラウド主導でいいが、センサネットワーク、M2Mはクラウドで対応するのは適切とは言えないことが背景にある事情だ。クラウドは常時接続だが、センサ技術やM2Mは何かがあればオン、何もなければオフにするものであり、本質的にクラウドとの相性が良くない。
--2013年の事業をどう評価しますか。
Cisco Systemsは全世界的に売り上げは6%増で、安定的に進捗している。日本市場でも為替レートが円安であることの影響はあるものの、引き続き堅調だった。コンピューティング、ネットワーキング、ストレージ アクセスなどを単一のアーキテクチャに統合する「Cisco Unified Computing System」は対前年比2.5倍、シェアは6%となった。