本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。
今回は、米SplunkのDoug Merritt CEOと、ワークディの金翰新 代表取締役社長の発言を紹介する。
「マシンデータの活用が企業の競争優位を生み出す」 (米Splunk Doug Merritt CEO)
米Splunkの最高経営責任者(CEO)を務めるDoug Merritt氏
米Splunkの日本法人であるSplunk Services Japanが先ごろ、プライベートカンファレンス「SplunkLive! Tokyo」を都内で開催した。Splunkの最高経営責任者(CEO)であるDoug Merritt(ダグ・メリット)氏の冒頭の発言は、同カンファレンスのキーノートで、同社の製品・サービスがユーザー企業にもたらす最大のメリットを語ったものである。
Splunkが提供するデータ分析ソフトウェア「Splunk Enterprise」は、ITシステムや各種デバイス、センサなどから生成される大量かつ多種多様なマシンデータを集約し、それらを迅速に分析するためのプラットフォーム製品である。
マシンデータを対象としたいわゆるビッグデータ分析ツールで、IT運用管理やビジネス分析、さらにはセキュリティ関連機器から出力されるログの解析を行うセキュリティ情報/イベント管理(SIEM)などでも活用できる。また、製品だけでなくクラウドサービス「Splunk Cloud」としても提供している。
大きく広がる可能性を持つSplunkの用途
2006年に米国で生まれたこのツールは、「Google for the datacenter」とも呼ばれて注目を集め、今ではおよそ100カ国で1万2000社を超える顧客を有するビッグデータ分野の成長企業として名を馳せている。
Merritt氏によると、顧客企業の中には1日あたり1.8Pバイトのマシンデータを収集して分析し、さまざまな用途に活用しているケースもあり、「それだけの大量で多種多様なデータをスピーディに生かせるのはSplunkだけだ。企業にとって競争優位を生み出すための格好のソリューションだと確信している」と強調した。
また、Merritt氏の前にオープニングスピーチを行ったSplunk Services Japanカントリーマネージャーの纐纈昌嗣氏も、「日本でもセキュリティやコンプライアンス対策、IT運用管理のサービスレベル改善などを目的として、多くの企業に採用していただいている。今後はデジタルマーケティング、さらにはIoT(Internet of Things)向けのソリューションなど、応用範囲をどんどん広げていきたい」と力を込めて語った。