Salesforceは10月までにEinsteinの17の機能を同社の5つのクラウドに、2017年2月までに35の機能を8つのクラウドに搭載するとしている。これら機能のいくつかは既存アプリの機能を強化する無償アップグレードとなり、それ以外の機能は追加コストを必要とするものになる。Salesforceはどの機能を無償、あるいは有償にするのか、またその価格がどの程度になるのかについては述べていない。なお、10月にはApp Cloudに対して、「Predictive Vision」サービスの一般提供と「Sentiment」サービスのパイロット版提供が予定されている。
「Salesforce Einstein」の設計目標は、Salesforceの既存アプリの強化だ。まず、秋までに17のAI関連機能を5つのクラウドに追加し、2017年2月までに35の機能を8つのクラウドに追加する。
Salesforceはデータ科学や機械学習を手がける企業の買収を大々的に実施してきており、2013年以来RelateIQやMinHashからPredictionIOやMetaMindといった企業に至るまで、7億ドル以上を投じて手中に収めてきている。実質的に同社は、これらの企業がAIに投じてきた時間とともに、知的財産(IP)と、175名を超えるデータ科学者やAIの専門家の専門知識を買ったことになる。またSalesforceは、B2Bデータを蓄積しているData.comの資産も有している。コンピューティングパワーという観点では、同社は最近、「ウェブスケールのコンピューティングパワー」を求めて「Amazon Web Services」(AWS)に目を向けている。
「Oracle Adaptive Intelligent Applications」の概要
「Adaptive Intelligent Applications」(適応型インテリジェントアプリケーション)という名前を見れば分かるように、Oracleは「AI」という言葉を散りばめないという点で保守的な態度を取っている。Oracle Adaptive Intelligenceの製品及びデータ科学担当バイスプレジデントであるJack Berkowitz氏は、「われわれは誇大広告を避けるとともに、人々が購入、使用し、利益を追求できるアプリケーションを構築している」と述べている。
同社のアプリケーションは完全にクラウドベースとなっており、リアルタイムで学習を続け、その時点での動作というコンテキストにおけるパーソナライゼーションやリコメンデーション、オファー、自動化されたアクションを適用するという点で適応型という言葉がその名称に取り込まれている。また同社によると、インテリジェントという言葉が名称に取り込まれているのは、これらのアプリケーションが過去のトランザクションや振る舞いだけでなく、現在の天候や場所といったその時点のコンテキストも考慮するためだという。