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NTTデータが2兆円を目指す理由 - (page 2)

田中克己

2017-01-26 07:30

ITO、BPOの需要拡大に対応する

 もう1つの施策は、ITアウトソーシングやBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の需要を取り込むこと。「オフバランスの関係から非競争領域のアウトソーシングが進む」(松永執行役員)からだ。こうしたニーズに応えるには、大量の人員も必要になる。M&Aはそのためでもある。「BPOの場合、まずは人が事務を担う。その後、ボリュームが増えたらIT化する」(同)パターンになる。

 アウトソーシングは、コストや生産性などから1カ所からデリバリしたほうがいいこともある。オフショア、ニアショアの開発拠点を整える。買収したデルのITサービス部門は、インドのデリバリ・センターに約2万3000人を配置し、米国向けを担う。日本向けは中国、スペイン向けはポルトガル、東欧向けはルーマニアなどからになる。「世界でバラバラに作るのは非効率なので、スタンダードな開発も規定する」(松永執行役員)。

 だが、M&Aによる急激な人員増は、NTTデータの生産性を低下させているように思える。2000年度の売上高8010億円、社員1万4572人が2010年度に売上高1兆1619億円、社員4万9991人、2015年度に売上高1兆6148万円、社員8万526人になり、結果的に1人当たり売り上げはこの15年で半分以下になった。売り上げ約28億ドル、社員約2万8000人のデルのITサービス部門が加われば、1人当たり売り上げはさらに下がる。

 松永執行役員は「この方法は米国で成功するための勝ちパターン」とし、インドを使わなければ、価格競争に勝てないという。だが、いずれソフト開発の自動化も進むだろう。ちなみに、国内の適用範囲はどんどん広がっており、2015年度には500件以上になったという。

 松永執行役員は「顧客企業の売り上げや利益を上げるために最善のオファリングを提案するクライアント・ファースト」との考えも披露する。ITベンダーのような自社のハードウエアやソフトウエアがあるわけではない。標準規格品だけを提案したり、プラットフォーマになったりするつもりもない。「これしか売らない」、「これしか提案しない」ITベンダーとは一線を画し、「オンリーワンのIT企業になる」という。

田中 克己
IT産業ジャーナリスト
日経BP社で日経コンピュータ副編集長、日経ウォッチャーIBM版編集長、日経システムプロバイダ編集長などを歴任し、2010年1月からフリーのITジャーナリストに。2004年度から2009年度まで専修大学兼任講師(情報産業)。12年10月からITビジネス研究会代表幹事も務める。35年にわたりIT産業の動向をウォッチし、主な著書に「IT産業崩壊の危機」「IT産業再生の針路」(日経BP社)、「ニッポンのIT企業」(ITmedia、電子書籍)、「2020年 ITがひろげる未来の可能性」(日経BPコンサルティング、監修)がある。

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