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「アップル製テレビ」という幽霊 - (page 3)

三国大洋

2012-06-08 12:45

 アレイア氏は「自宅にあるどのテレビにもApple TVを付けて、CNNやESPNのスポーツ番組やCNNのニュースを観たり、あるいは子供たちとiOSのゲームをしたりしている。そうなってから、ケーブルテレビ用のセットトップボックス(STB)を使うこともなくなり、いわゆるスマートTVに内蔵されるネット接続機能などに触れることもすっかりなくなった」「AirPlayでテレビにつながったiPhone/iPadは、いまやリモコン兼用のSTBの役目を果たしている」などと記している。

 実際にApple TVを使っている方には細かい説明は不要だろう。日本でも1万円以下で手に入るこの「小さな黒箱」がもたらす変化は意外に大きい。

 私自身、主に仕事目的で観る「WSJ Live」「Bloomberg TV+」やら、息抜きで観るNBAのゲームダイジェスト、それにYouTubeにあがった無数のビデオ——昨今では「American Idol」「The Voice」といった高視聴率番組でさえ、フルHDで、しかも放映の翌日くらいには見所の場面を流すようになっている——など、Apple TV経由の動画ばかりみていて、電波で送られてくる番組を観るのはそれこそNHKの朝のニュースくらい、という状態になっていたりする。

 それはさておき。「ユーザーの一番身近にあるデバイス=スマートフォン、そしてタブレットをテコにつかう」「すでに何十万種類というアプリが存在し、しかもソフトウェアのアップグレードでどんどん機能を付加していけるiOSのプラットフォームをリビングにまで拡張する」というアレイア氏の考えは、実に理に適ったものに思える。ただし、それだけのことであれば、すでにAndroid陣営の各社でも実装しているスマートフォン=テレビの連動機能などでも、ある程度まで追従することが可能だ。

 この点については後ほど改めて触れることにして、ここでは先にアレイア氏が自らの考えを踏まえて予想するアップル製テレビのイメージを紹介しておく。具体的な「次世代Apple TV」のポイントは次の3つだ。

  1. 現在のApple TVの延長線上にあるテレビモニター用周辺機器。これはちょうどゲーム機のモーションセンサー用バーと似たような細長い形状で、ほとんどの薄型テレビの上に乗っかるタイプのもの。機能については、AirPlay対応のほか、HDMI端子、HDカメラ(ビデオチャット用でモーションセンサーも兼ねる)が付き、さらに音声認識用マイクも内蔵。
  2. 上記の諸機能を内蔵し、iOSが動作するテレビモニター。粗利率確保のために価格はかなり高めに設定されるが、その分だけ最新の技術を搭載した「ゴージャス」なテレビ。アップルでは以前から、価格だけみればまったく競争力のなさそうなMac用モニター(現在は「Apple Thunderbolt Display」という名称)を出し続けているため、おそらくこのテレビもそれと似た位置づけのフラッグシップ製品となるのだろう。なお、「買い換え周期も(だいたい7年と)かなり長く、すっかり出来上がった市場に、どうしてアップルがわざわざ製品を投入するのか?」という点について、アレイア氏は「簡単にいえば、それが可能だから」とだけ記している(また電波を使った放送への対応にはまったく言及していない。もちろん、HDMI端子をいくつか用意しておけば、それにBlu-ray/HDDレコーダーのような外部機器を差すだけでクリアできてしまう問題なのだが)。
  3. iOSをアップデートして、AirPlayの機能をさらに強化。同時に新しいAPIを公開して、テレビの大画面と手元のモバイル端末画面の両方をフル活用するようなアプリを充実させたり、新たなApple TVで実装されるはずのマイクやモーションセンサ−、音声認識を活かした新たなアプリの開発を促進する。

 これまで私が目にしていた議論や考察のなかでは、上記のうちの「1番目」もしくは「2番目」のどちらになるか?といった前提のものがほとんどだった。そのせいか「両方が同時に出てくる」という可能性はすっかり見逃していた。それでこの「アレイア説」を読み、かなりすっきりした気持ちにもなったのだが、それでも大きな疑問があと1つ残っている。

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