トップインタビュー

SAP Hybrisトップが語るマイクロサービス「YaaS」の日本展開 - (page 3)

末岡洋子

2016-12-01 07:00

--マイクロサービスの離陸にあたって、課題は何になるのか?

 開発者のスキルというよりは、マインドセットを変えることが課題と感じている。

 デジタルトランスフォーメーションが成功するかどうかは、社内の組織が成熟しているかどうかにかかっている。マイクロサービスへのアプローチも同じで、ソフトウェアの開発方法を変えることができるかにかかっている。開発者は自分が作成したコードに責任が生じることになり、公開したコードについての問い合わせに応じなければならない。組織はどのようにアウトカムベースの経済を測定し、ビジネスにしていくのかを考える必要があり、われわれはここも支援できる。

--YaaSの日本展開はいつになるのか?

 通貨を始めローカライズが必要で、現在国ごとにローンチしている。日本もローンチに向けて作業中だ。

 日本はマイクロサービスに関連性が高い市場と見ている。構造的にも、製造、消費財、自動車などマイクロサービスからメリットを受けられる産業がたくさんある。われわれにとって、上位3位に入るほど重要性が高い市場だ。

--現在のビジョンは?

 次世代の顧客エンゲージやCRMシステムはマーケティングレポジトリが中心となり、CRMベンダーがとってきたアプローチは機能しなくなるだろう。CRMはフィードにすぎなくなり、行動データやイベントベースのデータを収集し、メタデータを使って拡張、強化、抽出、収集する。LinkedInなどのソーシャルチャネルからも学習するだろう。静的なプロファイルを構築するのではなく、動的な顧客プロファイルを作成し、視覚化して変化をモニタリングする。これは大きなパラダイムシフトになる。サイロ化から全体の中でのターゲッティングをリアルタイムに効率よく行う。

 同時に、自動化も進み、AIが重要な役割を果たすだろう。また、業務アプリケーションとのエンゲージも大きく変わるだろう。社員の多くがスマートフォンが最優先のデバイスになる時代はすぐにやってくる。ユーザー体験やアプリとのエンゲージが変わるだろう。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]