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セールスフォースによるSlack買収、その狙いと計画

Larry Dignan (ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎 編集部

2020-12-07 06:30

 SalesforceがSlackを買収することを明らかにした。買収規模は277億ドル(約2兆8900億円)で、同社はこの買収によって、コラボレーションやワークフローの分野を強化していくことを狙っている。Slackは将来、基本的に、Salesforceの製品「Customer 360」のフロントエンドになる。

SalesforceのSlack買収後の戦略骨子

 先週リークされた今回の買収は、Microsoftとそのプラットフォームである「Teams」との対決の準備だ。SalesforceとMicrosoftは、CRM(「Dynamics 365」と「Sales Cloud」)やアナリティクス(「Tableau」と「Power BI」)の分野でも競合している。契約条件に基づき、Slackの株主はSlack株1株につき現金26.79ドルとSalesforceの普通株0.0776株を受け取る。

 Salesforceの最高経営責任者(CEO)Marc Benioff氏は、声明の中で、同社はSlackとSalesforce Customer 360を組み合わせる計画だと述べている。さらにBenioff氏は、カンファレンスコールで次のように付け加えている。

 これは次世代のCustomer 360だ。この素晴らしいユーザーインターフェースを、Salesforceのさまざまなサービスとそのチャネル、そしてあらゆるデバイス、統合された機能、インタラクションの上で行われるコラボレーションで利用できるようにすることが、私たちの究極のビジョンだ。

(中略)私たちは、Slackは世代を代表する企業プラットフォームだと考えている。Slackは、今回のカンファレンスコールに出席している企業でも、Salesforceや当社の多くの顧客企業でも中枢神経の役割を果たしており、あらゆる人や物をつないでいる。そして、(今回の合併によって、SalesforceとSlackは)より大きく、よりよく、よりエキサイティングになる。今回の買収は、企業や、人や、データや、ツールを1つにつなぐ。あらゆるCRMの情報や、営業情報や、顧客とのやりとりを見られるようになる。また、Slackのメリットを拡大した「Slackコネクト」を見れば、従業員がパートナーや、取引企業や、顧客と安全に連携して働けるようになることも分かるだろう。

 Salesforceにとって、企業やパートナーのコラボレーションを可能にするSlackコネクトとCustomer 360の連携は重要だ。Salesforceがコラボレーションの分野に取り組むのは今回の買収が初めてではない。Salesforceは2009年に「Chatter」を立ち上げており、2016年にはQuip買収しているし、最近では「Salesforce Anywhere」をロールアウトしている。SlackのCEOであるStewart Butterfield氏は、Salesforceの買収は「ソフトウェアの歴史の中でももっとも戦略的な組み合わせ」だと述べている。

 Benioff氏は、自分はこれまで長年にわたってソーシャルエンタープライズについて語ってきたが、Slackの買収によって、ようやく本来のビジョンが実現すると語った。

 コラボレーションインターフェースや動画ベースのインターフェースは、この業界の次の大きな流れになるだろう。しかしそのサービスを支えるのは、多くの充実したサービスやアプリケーションであり、機能の統合であり、人工知能(AI)であり、その基盤となる巨大なデータレイクだ。問題は、どうやってそのすべて融合させて、ユーザーや、高度なプロフェッショナルや、労働者や、知識労働者や、企業のCEOが利用できる形にし、それを効果的な体験に変えるかだ。

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