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東レとNTTドコモの活用事例:“再離陸”するビジネスインテリジェンス(2) - (page 2)

田中好伸(編集部)

2006-03-02 03:42

全社一斉は難しい

 システム完成後の利用・展開策として池田氏は「全社一斉に浸透させるのは難しい。そこで特定部署での成功例をまず作ってからPRして、あるいは口コミで浸透させるという方法を取った」と語る。その特定部署とは「やる気のありそうな、そして新しいものを取り入れることに抵抗を感じなさそうな課長を選定した」(同氏)という。そういった課長に対して「マネジメントシステムとエクセルがあれば、簡単に資料作成できます、といった感じで資料作成の効率化支援から始めた」(同氏)という。

 利用促進策としては、課単位に説明会も実施した。説明会では月次資料の作成方法などを教えている。そのほかにエクセルでのピボットテーブルやオートフィルターなどの使い方も教えられたという。また「当該部署のナマのデータを使って、その部署の課題がどこにあるのかを課員から問題提起してもらい、業務改善についてのディスカッションをしてもらった」(同氏)ということも行われている。

 「業務改善のディスカッションを進めていくと、説明会がいつの間にか課内会議になることもあった」(同氏)

 それでは、マネジメントシステムが、東レが進める営業改革にどのような影響を与えたのだろうか。

埋もれていたデータを生かす

 東レでは、樹脂や合成繊維、人工皮革、フィルムなどの製品を扱うが、その受発注単位は10トン単位から数キロ単位まで扱っている。「ただ数キロ単位の小口案件では取り扱いが面倒で、大変という意識だけが残っていた」(同氏)という。

 マネジメントシステムで小口案件の受注状況を把握すると、間接コストや物流費の負担が大きいことが分かった。そこで小口案件に対しては、マネジメントシステムで得られた情報を値上げ交渉の材料として活用することができたという。

 「埋もれていたデータを業務に生かすことができた」(同氏)

 またマネジメントシステムでは、担当者別に損益管理できることから、担当者ごとに収益改善をどうすべきか議論もできるようになっている。得られた情報をもとに工場との話し合いを交わし、顧客とも代替品種や単価交渉の折衝も可能となった。

 東レでは、3年で5%の粗利益率改善を全社目標としているが、マネジメントシステムにより、事業別、部課別に粗利の状況を品種別に確認できるようになっている。これで、どの部署にどれだけの課題を与えるか、目標設定のためのターゲット設定もできるようになった。

 マネジメントシステムは、在庫半減活動にも役立っている。東レは、在庫を半減させるためには販売計画や生産依頼などのデータの精度向上が必要という認識を持っていたが、マネジメントシステムで過去の荷動きを確認できることから、計画精度を向上させることにも成功している。池田氏によれば同システムで「担当者別に在庫責任を把握できるようになった。これは、それまでになかった指標として業務に生かせるようになった」と説明している。

レポーティングツールを検討

 これまで見てきたように、BIシステムであるマネジメントシステムが東レの営業改革に大きな貢献をしたことが分かるだろう。

 同システムの今後について、池田氏は「レポーティングツールの導入を検討している」と語る。「OLAPツールは使い方が難しく、一般的なユーザーにとってはオーバースペック。利用者のすそ野を広げるにはレポーティングツールの導入を検討している」(同氏)という。また、同システムでは、販売計画などの計画データを取り込むことも課題としている。

ドコモの情報活用

 導入事例の2つめは、NTTドコモでのBI活用だ。紹介したのは、同社情報システム部情報戦略担当部長の久保田明氏である。

 同社では(BIを含めた)情報活用の発展レベルを次の5段階に分類している。その5段階とは(1)情報を個人が所有・活用する「レベル1」、(2)部門ごとに閉じた結果情報のみでアクションを実施する「レベル2」、(3)全社の結果情報をリアルタイムで把握し、アクションを検討・実施する「レベル3」、(4)顧客行動を予測し、的確な対象に対して的確なアクション、より迅速に実施する「レベル4」、(5)新サービス・新規事業をより少ないリスクで導入し、より迅速に市場に適合させる「レベル5」である。イベントのセッションでは主にレベル3とレベル4でのBIの活用状況が説明された。

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