HPがクラウド事業をOpenStackベースで進めていることは知られているが、ビジネス規模は明らかになっていない。しかもクラウドの利点の本質的要素を持つパブリッククラウドの領域で、それなりの競争力がないと勝ち残れないという見る向きが少なくない中で、HPの存在感は今のところ乏しい。果たして、今後OpenStack陣営の“旗頭”としてクラウド市場の最前線に躍り出てくるか、注目しておきたい。
「これからのビッグデータ分析はネットワークエッジでの対応が必要になる」 (米Cisco Systems Jim McHugh バイスプレジデント)
米Cisco Systems バイスプレジデント Jim McHugh氏
シスコシステムズが先ごろ、ビッグデータ活用に向けた製品・サービスとパートナーエコシステムの強化について記者説明会を開いた。米Cisco Systemsのバイスプレジデントとしてこの分野の事業を統括するJim McHugh(ジム・マッキュー)氏の冒頭の発言は、ビッグデータ分析の進化について語ったものである。
今回強化された製品・サービスやパートナーエコシステムの内容については関連記事を参照いただくとして、ここではMcHugh氏が語ったビッグデータ分析の進化と、それに対するシスコのアドバンテージに注目したい。
McHugh氏はビッグデータ分析の進化について、「かつてのデータ分析は、データウェアハウスに蓄積された構造化データが対象となっていた。それが最近になって、データセンターに格納された非構造化データも対象に加わり、まさしくビッグデータ分析として注目を集めている。だが、今後はそれに加えて、ネットワークエッジにおいてもビッグデータ分析を行うことが必要になってくる。なぜならば、ビッグデータの4割がデータセンターの外で生成され、リアルタイムに分析する必要が出てきているからだ」と説明した。冒頭の発言は、このコメントのエッセンスである。
では、そうした際のシスコのアドバンテージはどこにあるのか。この点については、McHugh氏とともに会見に臨んだシスコシステムズの俵雄一執行役員が次のように語った。
「さまざまな現場において各種端末で生成されたデータをその場でリアルタイム処理する必要があるものは端末に近い“ネットワークエッジ”で分析できるようにする。一方、大量のデータを深い洞察を持って分析する場合は“データセンター”で対応するといったように、シスコは適材適所で分析できる製品やサービスを提供している。こうしたエンドトゥエンドでの製品やサービスを提供できるのが、シスコの最大のアドバンテージだ」
具体的には、従来からの強みである各種ネットワーク機器に加え、ここ数年で市場での存在感を増してきたサーバ製品「Cisco UCS(Unified Computing System)」がこうした仕組みを支えている。その意味では、同社はビッグデータ活用に向けたトータルソリューションベンダーといえる。
加えて、同社のこの分野におけるパートナーエコシステムの一覧を紹介しておこう(図参照)。左から、データ管理、データ統合、データ分析といった領域で、それぞれに強みを持つパートナー企業が名を連ねている。このエコシステムもシスコの確固たる存在感を表しているといえそうだ。
シスコのパートナーエコシステム