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日本のPaaSベンダーは顧客との距離が近い--パイプドビッツCTOの林氏 - (page 4)

吉澤亨史 山田竜司 (編集部)

2015-07-02 11:00

――さまざまな業界のサービスを支える性質の異なるシステムを、どう管理しているのか。

林氏 特にアクセスの高いものは特別なシステムを考える必要がありますが、クラウドの柔軟性を生かしており、基本的にサーバのリソースは柔軟に振り分けることができます。逆に言えば、業界によって特性がバラバラだからやりやすいというのもあります。全体として負荷を分散させやすいわけです。基本的にはスケールアウト、サーバを横に分散させることと仮想化で対応していますので、特別なことはしていないと思います。


シリアルナンバー投票システム

 国民的アイドルグループの“選挙”に提供している投票システムにしても、開始当初は特別なシステムを作っていましたが、今はそれをだんだん汎用化して、標準化できる技術は標準化し、SPIRAL上で運用しています。負荷については、業界ごとに事業部があって、顧客とダイレクトに話しながら検討します。例えば先着順で優遇するキャンペーンを展開するとなると負荷が大きいので、顧客と話して仕様の変更などを決めます。ほかにも、コンテンツの最小化や画像、ページサイズで判断し調整することもあります。

 可用性を高めるためには、標準化すること、何回か実施して傾向をつかむことが重要です。最終日に投票が集まるといった情報が事前にあるので、あらかじめシステムで備えることができます。もちろん最初はわからないので、最大値で臨みましたが、今はだいぶ勝手が分かってきたので汎用のものでも対応できているわけです。

――5年後のパイプドビッツはどのようになっているか。

林氏 システム面では、今は多言語からめて分散開発、さまざまな国の人が開発することなど、グローバルを意識しています。また直近ではホールディングス、持ち株化しますので、今の事業が独立採算制になっていくことになります。

 5年後のPaaSは、どうなっているかわからないところもあります。業界別のサービスを提供する事業会社として、顧客にいかに短納期でニーズに合ったものを提供していくのが価値です。それが今はPaaSであるということです。システムは集約と分散をくり返していますから、次はまた分散システムの時代が来るかもしれませんね。

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