IBM、イベント「Insight」開催--“新しい企業”との競争が始まっている - (page 3)

田中好伸 (編集部) 2014年10月28日 19時49分

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前工程を短縮

 イベント2日目のゼネラルセッションではWatson Analyticsの優勢性が説明されたが、DataWorksやdashDB、そしてデータベースをサービスとして利用できる(DataBase as a Service:DBaaS)「Cloudant」も解説された。

 DataWorksはデータ分析で必要となるデータのクレンジングやマッチング、セキュリティを保持するためのツールになる。一般的なデータ分析では、クレンジングするなどデータを整理、加工する工程が必要であり、この分析する前の“前工程”が全体工数の6~8割を占めるともいわれている。DataWorksは実際の分析前にデータをキレイにする役割があり、前工程を短縮できるという。

Beth Smith氏
IBM インフォメーションマネジメント担当ゼネラルマネージャー Beth Smith氏
Sean Poulley氏
IBM インフォメーションマネジメント データベースDWH担当するバイスプレジデント Sean Poulley氏

 ゼネラルセッション後の会見でIBMのインフォメーションマネジメント担当ゼネラルマネージャーのBeth Smith氏によると、DataWorksの役目は、データの形を信頼できるものにするために加工することであり、「発注書のような非構造化データも取り込める」とメリットを強調。「リレーショナルデータベースに格納できないデータもコネクタを使えば取り込める」(インフォメーションマネジメントでデータベースやDWHを担当するバイスプレジデントのSean Poulley氏)

 dashDBはSaaSでDWHの役割を果たすものであり、Amazon Web Services(AWS)の「Amazon Redshift」に対抗するものと表現できる。「IBMが管理するマネージドサービス」(Poulley氏)であるdashDBは、列指向(カラムナ)型とインメモリ技術を応用することで高速化を図っている。

 現在、インメモリをDWHにも活用する動きが注目を集めつつあるが、Poulley氏は「DWHのすべてのデータをメモリに載せるのはコストが高くなってしまう。dashDBは処理が必要なデータだけをメモリで処理するようにしている」と説明した。現時点でdashDBは、IBMのPaaS「Bluemix」で利用することを想定しているが、Poulley氏は「将来的にはオンプレミスでも利用できることになるだろう」との見通しを明らかにした。

Bluemixで最も使われる

 CloudantはIBMが買収した企業。DBaaSのCloudantは、NoSQLデータをJSON形式のデータのリレーショナルデータベースのスキームに変換して、モバイルアプリやウェブアプリを開発、提供する時のデータベースとして利用されている。これまではクラウド上で利用できていたが、イベント2日目の10月27日にオンプレミスでも利用できる「Cloudant Local」が発表された。

 ユーザー企業は、IBMのパブクリッククラウドではなく、自社で稼働させるデータセンター、つまりプライベートクラウド上でCloudantを利用できるようになる。「Cloudantはパブリッククラウドとオンプレミスの両方に対応するハイブリッドのデータベースになる」(Smith氏)。現在、CloudantはBluemixで利用でき、「Bluemixの中で最も使われている」という。「例えば、NoSQLのデータをCloudantで取り込み、DataWorksでクレンジングしてdashDBに格納するといった使い方もできる」(Smith氏)

Inhi Cho Suh氏
IBM ビッグデータインテグレーション&ガバナンス担当バイスプレジデント Inhi Cho Suh氏

セルフサービスでハイブリッドクラウド活用

 IBMのInhi Cho Suh氏(ビッグデータインテグレーション&ガバナンス担当バイスプレジデント)は、ゼネラルセッションでWatson AnalyticsやDataWorks、dashDB、Cloudantがどんな場面でどんなメリットがあるのかを解説した。

 これまでデータを表計算ソフトで手動でかき集めていたビジネスアナリストは、Watson AnalyticsやDataWorksで手作業を減らすとともに効率的に分析できるようになるとともに、モバイルアプリの開発者はCloudantとCloudant Localでオンプレミスとオフプレミスの両方の環境で開発でき、IT部門のエンジニアはdashDBで数分でDWHを構築できると説明した。

 Suh氏は、これらのサービスを活用することで「IT部門やビジネス部門の多くのユーザーがセルフサービスでハイブリッドクラウドを利用できるようになる。これらのサービスはより多くのユーザーがより多くのデータにアクセスするように狙った」と背景を説明。このことは、イベントの会場に足を運んだ「すべての人たちの問題を解決できる」と訴えた。

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