Google共同創業者でCEOのラリー・ペイジ(右)は、プロダクトの大掃除と一緒に、人事面での大掃除も敢行したようだ。隣にいるのはレディ・ガガ
グーグルCEOのラリー・ペイジが「春の大掃除」を実施した。
しかも、Google Readerのような賞味期限切れのサービスだけでなく、これまでLチーム(L-Team)と呼ばれていた7人の経営幹部、喩えて言うならグーグル七奉行の大掃除も行った。
七奉行の内の二人、それも相当大きな影響力を持つと思われるAndroid事業統括のアンディ・ルービンと、マップおよびコマース事業統括のジェフ・フーバーを、体よくGoogle Xに名誉殿堂入りさせたのだ——。
3月14日から15日にかけて発表されたグーグルの幹部入れ替えを伝えたニュースからは、そんな「経営者ラリー・ペイジのしたたかさ」を感じた。以下はそうした裏読みの一環であり、そういう前提で続きを読んで頂ければと思う。
絶好調のグーグルで何が起きている?
両者のポジションチェンジについて、グーグルはいずれも「前向きなもの」とアピールしたがっているようだ。
特にルービンの人事異動については、ラリー・ペイジ自らがブログで報告。Androidのめざましい躍進ぶりを挙げたり、ルービンの功績を称えたりなどした上で、「アンディ、『ムーンショット』をもっと頼むよ!」とまで書いている(註1、2)。
けれども、「なぜルービンがこのタイミングで、長年手塩にかけて育ててきたはずのAndroid事業から手を引くことにしたのか?」という点で、かなり大きな疑問が残る。
ルービン本人から「ここらへんで、何かまったく新しいことにチャレンジしてみたい」と申し出た可能性は、無論残っている。すでに新しいアイデアを温めていて「このタイミングを逃したら」と本人が感じていた、ということもあるかもしれない。
しかし、ここ半年もしくは一年くらいの状況を考えると、「このタイミングで」というのはむしろ意外な選択に思えてしまう。