三国大洋のスクラップブック

グーグル幹部も「大掃除」--経営者ラリー・ペイジのしたたかさ

三国大洋

2013-03-15 14:38


ラリー・ペイジとレディ・ガガ
Google共同創業者でCEOのラリー・ペイジ(右)は、プロダクトの大掃除と一緒に、人事面での大掃除も敢行したようだ。隣にいるのはレディ・ガガ

 グーグルCEOのラリー・ペイジが「春の大掃除」を実施した。

 しかも、Google Readerのような賞味期限切れのサービスだけでなく、これまでLチーム(L-Team)と呼ばれていた7人の経営幹部、喩えて言うならグーグル七奉行の大掃除も行った。

 七奉行の内の二人、それも相当大きな影響力を持つと思われるAndroid事業統括のアンディ・ルービンと、マップおよびコマース事業統括のジェフ・フーバーを、体よくGoogle Xに名誉殿堂入りさせたのだ——。

 3月14日から15日にかけて発表されたグーグルの幹部入れ替えを伝えたニュースからは、そんな「経営者ラリー・ペイジのしたたかさ」を感じた。以下はそうした裏読みの一環であり、そういう前提で続きを読んで頂ければと思う。

絶好調のグーグルで何が起きている?

 両者のポジションチェンジについて、グーグルはいずれも「前向きなもの」とアピールしたがっているようだ。

 特にルービンの人事異動については、ラリー・ペイジ自らがブログで報告。Androidのめざましい躍進ぶりを挙げたり、ルービンの功績を称えたりなどした上で、「アンディ、『ムーンショット』をもっと頼むよ!」とまで書いている(註1、2)。

 けれども、「なぜルービンがこのタイミングで、長年手塩にかけて育ててきたはずのAndroid事業から手を引くことにしたのか?」という点で、かなり大きな疑問が残る。

 ルービン本人から「ここらへんで、何かまったく新しいことにチャレンジしてみたい」と申し出た可能性は、無論残っている。すでに新しいアイデアを温めていて「このタイミングを逃したら」と本人が感じていた、ということもあるかもしれない。

 しかし、ここ半年もしくは一年くらいの状況を考えると、「このタイミングで」というのはむしろ意外な選択に思えてしまう。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    KADOKAWAらの事例に学ぶ、2024年サイバー攻撃の傾向と対策

  2. セキュリティ

    新入社員に教えるべき情報セキュリティの基礎知識--企業全体を守るための基本ルールを徹底解説

  3. ビジネスアプリケーション

    AIの投資対効果を最大化する「先導者」の存在--企業に求められる戦略策定能力

  4. ビジネスアプリケーション

    生成AI活用で変わるシステム開発の現場、生成AIでローコード開発を強化する4つの方法

  5. セキュリティ

    【マンガで解説】なぜ中小企業でも最新のセキュリティ対策を強化しなければいけないのか?

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]